天井に設置する埋込型の業務用エアコンも家庭用エアコンに引けを取らないくらい高機能なものが増えてきています。
そのため、選ぶ際も様々な機種から多彩な機能を見ながらといったケースも珍しくありません。
そんな昨今の業務用エアコン事情ですが、特に注目されているのはウィルスや細菌を除去する除菌機能付きのモデルです。
今回は、除菌機能付きの業務用エアコンを中心に紹介し、現行モデルのトレンドについても触れていきます。
そもそも業務用エアコンの除菌機能とは?
業務用エアコンについている除菌機能はストリーマを使用したものです。
ストリーマとは、放電を行う技術です。
ストリーマ放電と呼ばれる大気圧中で発生する誘電体バリア放電やコロナ放電といった様々な放電を構成するフィラメント状の放電を指します。
大まかに言えば、空気中のウイルスや細菌、カビなどを除去できる放電のことで、有害物質を酸化分解することが可能です。
プラズマ放電と呼ばれる放電の一種ですが、一般的に言われるプラズマ放電に比べて、酸化分解力が1,000倍以上になるとされており、強い除菌作用を持っています。
このストリーマ放電によって空気成分と合体した高速電子が強い酸化分解力によって室内や室内機内のニオイや菌類・室内汚染物質のホルムアルデヒドなどに対しても持続的に作用する画期的な技術です。
このような特殊放電によって、業務用エアコンから清浄な空気が放出できるようになっています。
また、ストリーマを導入していない他社の除菌機能付きの業務用エアコンのシリーズも違ったアプローチの放電機能によって除菌機能を獲得しています。
業務用エアコンの除菌機能の注意点
業務用エアコンの除菌機能は優れた性能から清潔な空間が求められる場所に適しているといえるでしょう。
例えば、幼稚園や保育園、学校、病院、介護施設、店舗などに設置するのに向いています。
もちろん、オフィスのような事務所や工場のような事業所(クリーンルーム除く)といった場所でも効果を発揮してくれます。
ただし、完全に抑制、除去できるわけではありません。
たしかに清浄な空気を出してくれますが、除菌機能には限界があります。
そのため、業務用エアコンの除菌機能に頼りきりにならないように、清掃をしてきれいな空間を保つようにしましょう。
ただ、人が多く集まる場所では、外部から多くの有害物質(ウィルス、細菌含む)が入りやすくなります。
そういった場所に除菌機能付きの業務用エアコンを導入する意義は十分あるといえるでしょう。
また、価格も従来型の業務用エアコンに比べると割高になる点も注意しましょう。
除菌機能は、単独でも空気清浄機のような機能を持っています。
そのため、業務用エアコンにこの機能がついていると価格も上がってしまう点がネックです。
ただ、より快適で安全、さらに昨今特に重視される衛生的な空間を作るうえでも除菌機能はコスト以上のメリットがあります。
人感センサーで節電も期待できる
業務用エアコンには最近人勧センサー付きのものも多くなっています。
これは赤外線のセンサーで人を察知するだけでなく、温度を自動で測定して最適な風量をコントロールしてくれます。
こういった機能で得られるメリットは大きく、節電や冷房の健康への影響の軽減が期待できます。
まず、適切な風量や人がいないタイミングで業務用エアコンの動作を抑制し、消費電力を抑えられます。それでいて、人が入ってきたら運転を強めて、快適な空間を確保してくれるのです。
次に冷房が強すぎて毛布をかけながら仕事をするといったケースがオフィスなどで散見されますが、そう言った問題に対しても冷えすぎた人のところには風を送らないようにしてくれます。
これによって冷房の健康への影響を最小限にし、エアコン冷えによる夏風邪といったトラブルを解消してくれるでしょう。
人感センサーにも注意点はある
業務用エアコンの人感センサーはメリットもある反面、注意点もあります。
それは、子どもや動物には相性が悪いことです。
業務用エアコンの人感センサーは大人の胸部あたりで感知するモデルが多くあります。
そのため、保育園のように子どもが多い場所では関知しない場合もまれに見られます。
保育士がいるため、そう言ったケースはめったにありませんが、あまりに高い天井で業務用エアコンを設置すると、子どもだけになったときは動作が弱まる恐れもあるのです。
動物にも相性が悪いといえるでしょう。
オフィスによっては、動物を飼っている場所もまれにあります。
こういった動物の動きに人感センサーは反応しにくいため、動物だけおいて事務所を出てしまうと、業務用エアコンの動作が低下することもあるのです。
とてもべんりな機能ではありますが、こういった弱点があることを知っておきましょう。
コスト削減を考えるなら機能を最小限にした業務用エアコン
事務所にそこまで滞在しない、一円でもコストを下げたい、このようなニーズもあります。
そういったことから、これまで紹介した機能を一切省いた業務用エアコンも存在します。
そもそも除菌機能自体、メーカーによってはオプションになっていることがほとんどで、希望しなければ除菌機能なしの業務用エアコンを購入できます。
また、後日必要になったら、別途専用の空気清浄機を置くという選択肢もあるのです。
人感センサーもなしにできるので、便利だけどコストを下げたいといった方は、なしの業務用エアコンを選ぶことも有効です。
ただ、より快適な業務用エアコンが欲しい、空気清浄機の設置スペースすら惜しいという方は、これまで紹介してきた機能を搭載させた業務用エアコンを導入しましょう。
きっとこれまでの業務用エアコンとは違った快適性や利便性を感じられるはずです。
まとめ
業務用エアコンには放電を利用した除菌機能がついたモデルがあります。
現行モデルでは、人感センサーによって風量もコントロールできるようになりました。
これらの機能の付いた業務用エアコンを導入することで、清潔な空間や快適な空間が手に入るでしょう。
コストが増えるという懸念に対しては、これらの除いたモデルもシリーズ内にあるので検討してみるのがおすすめです。